伊藤燃設の夏は祭りにはじまり、祭りに終わります。 祭りが最高潮になる一週間は商売としては開店休業状態です。 300年続く重要無形民俗文化財の奇祭「石取祭」は伊藤燃設においては会社の 一つの行事としてあつかわれて、当然のこととして業務シフトも祭り中心に組まれます。 商売の“儲け”の視点から見れば、即刻廃止されるような取組でしょう。 しかし、伊藤燃設ではこの夏の行事を先代、先々代と長年にわたり大切にしています。 伊藤燃設には大それた企業理念などはありません。 |
しかし、言い伝えられて守られている家訓のようなものが存在します。 それは「利は元にあり」という言葉です。 表面的にこの言葉を解釈すれば、「仕入れを良くすれば商売は儲かる。」ということですが、 ビジネス書に出てくるような解釈の仕方とはちょっと違うニュアンスで伊藤家の家訓として言い伝えられていると 四代目の私は感じています。 四代目と今ここに記載しましたが、伊藤燃設が何年続いているかは正確には誰もわかりません。 そもそも四代目というのが正しいのかどうかも正確にはわかりません。 というのも、正確な社歴や家系図は第二次世界大戦の空襲で全て焼けてなくなってしまったからです。 桑名という街は古くは交易の中継地として港が栄え、江戸時代は東海道五十三次の宿場町のひとつとして栄えました。 伊勢参りの途中の宿場としても使われ、地理的条件も恵まれ東海道の中でも随一の宿場町として繁栄しました。 |
戦前は地場産業として鋳物が発展しました。 山本重工や三菱重工の工場ができ、第二次世界大戦の折は 東洋ベアリングの工場等と共にB29に5回も空爆されました。 その際に伊藤燃設の社歴などは全て灰に帰したわけです。 幸いにも戦後も家業は継続して行うことができました。 もともとは味噌たまりから商売を興し、燃料(こあ=薪)の商売に転換し、 ガスエネルギー業に発展し、現在はリフォーム業をプラスした形になっています。 どの業種においても地元の皆様の生活に密接に関わる業種であることが共通点です。 |
『ふるさとの想い出写真集明治大正昭和桑名』から転載 |
おかげ様で地域の皆様に支えられて、 現在にいたるまで商売が小さいながらも続けられています。 伊藤燃設は100年以上続いている企業ですが、家族経営の小さな会社です。 しかし、あるお客様には 「三代続くお付き合い。100年以上のお付き合いね」と言われます。 このような関係を作れるのはお客様の満足度が高いからだと自負しています。 |
それではなぜ満足度の高いサービスが、代を超えて、業種を超えて、お客様に提供できるのか? その秘密が家訓の「利は元にあり」にあると私は思います。 商売はもちろん仕入れが大事です。 ですから、もともと儲からないような商売をしないことは当然大事です。 元とは本来のことわざでは商売の仕入れということになっていますが、私はそうではないと解釈しています。 私の考える元とは「お客様の真の目的」ではないかと考えています。 お客様が〇〇がほしいと言った際に〇〇を単に売って儲けても、お客様の満足には至りません。 〇〇がほしいと言った理由や背景を知ってサービスを提供するからこそ満足が得られるものだと思っています。 これが元だと思います。 リフォーム業においてはまさにこの〇〇が形として存在しません。 だからこそ、しっかりとしたヒアリングを行い「お客様の元=真の目的」を一緒に見つけリフォームを提供し、 満足してもらうことを心がけております。 その中で大事にしていることは、単に綺麗にするリフォームではなく、家族が幸せになるようなリフォームを提供できることを心がけています。リフォームして幸せにならないと判断したものに関しては逆にお断りすることもあります。 家は家族を幸せにするためのもの。リフォームはそのお手伝いをするものと考えています。 |
今年の夏も奇祭「石取祭」に伊藤燃設は参加しました。 祭りに参加しても時間と労力をとられるだけで一銭にもなりません。 しかし儲けることだけが企業の存在意義でしょうか? それは違うと思います。 地域の皆様が守っている祭りを今後も守っていけるように一緒に 祭りを文化として伝承していくのは地元の人間にとっては何より 大切なことです。 地元を盛り上げ、結束を高めるものが祭りであるならば、 地元企業は率先してその祭りの成功に力を貸すべきだ。 |
<奇祭「石取祭」の様子> |
それこそが家訓「利は元にあり」に従うことなのだと祭りを終えた初秋、感じています。 家族そして、地域が幸せになるための商売を今後も続けて参ります。 今後もITONENこと伊藤燃設をよろしくお願いいたします。 |
有限会社伊藤燃設 代表取締役 伊藤 彰英 |
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伊藤彰英のブログ 「家族を守るリフォーム」 |